【完】*運命論*







「唯ちゃん?」

「ごめんなさい。ちょっと……頭痛くて。少し外出てきます」

あたしは急ぎ足で外へと出た。


マンションを出て、側にあったベンチに座る。


「わかってた、ことじゃん……」


わかってた。

梶さんに、大好きな彼女がいること。

この恋心に期待をしちゃいけないこと。


全部、わかってた……。



だから、

泣くな。


泣いちゃダメ。



そう思っても……あたしの瞳から、涙が溢れ出す。