席に向かい、目の前まできて、あたしは動きが止まった。



……嘘……でしょ。



「ゆーい」

ニヤニヤしながら、すでに座ってる美由があたしの名前を呼ぶ。

「ご、ごめん……」

え? ええ??

「ぁ、この子が唯ちゃん? 俺、美由ちゃんの友人の笹木智也。よろしくな」

「よ、よろしくお願いします……」

「こっちが俺の友達」

「梶尚紀、よろしく」


あたしの目の前に座る、この人。

……昨日の、人だ。



あたしはしばらく、彼に見とれてた。