「おじょーちゃん」
前から声がして、見れば知らない男の人が立っていた。
たぶん……高校三年生こうらいの人。
「俺と遊ぼーぜ」
なんで……この人は、ここにいるんだろう。
あたしは、なんでいるのかな。
……もし、この差し出された手を握ったらどうなるんだろう。
そんなバカなことを考えてると「新垣っ!!」と知っている声が耳に届いた。
「川崎、くん……」
「ちっ」
男は舌打ちをして行ってしまった。
「なにしてんだよっ!!!
今何時だと思ってんだっ!!」
「な、何時って……まだ8時……」
「女が一人で出歩く時間じゃねーだろっ!!!」
川崎くん……息、切らしてる。
もしかして……
走ってきたの?

