「ご注文は、お決まり、ですか?」

「ぁ、す、すみませんっ」

「いえいえ」


えっと……

あたしは、笑って言った。



「アイスココア、一つください」



男の人は一瞬目を丸くしたけど、すぐにレジに視線を移した。


「はい、かしこまりました。では、8番の番号を持ってお待ちください」

「ぁ、はい」


8番の札を受け取って、あたしは美由がいる席へと座る。

そこは、窓側の1番端の席。

美由はソファよりも椅子派だから、あたしが座るのはソファの方。


そこからだと、




あの人がよく見える。