起き上がった悠くんの手をそっと握る。


「せっかく互いのキモチがわかってるんだから、無駄になんかしないで。
諦めちゃダメ。もったいないよ?」


あたしと違って……両想いなんだから。



「悠くんなら大丈夫。



頑張れっ!!」




あたしは満面の笑みでそう言った。

悠くんはあたしの頭にポンと手を置いた。


「なんか、変わったな、新垣。強くなった。
つーか、お前の笑顔、美由のとそっくりだわっ。


……元気もらった、サンキュ」



悠くんはそう言って、立ち上がる。


「わりっ、俺急用思い出した。帰るわ」

「はっ?! ちょ、はる」

「俺の彼女、あいつしかダメみてーだし」


そう言って、ファミレスを走って出て行った。