生まれた妹は、私の希望通り「かな子」と名付けられ、白いおくるみに包まれて、私の家にやってきた。
みんな妹のことを「かわいい、かわいい」と愛でていた。
さるみたいな顔。ちっともかわいくなんかない。
妹は、私と遊んでなんかくれなかった。がらがらを目の前に持っていってやっても、いないいないばあをしても、ぼんやりした目を泳がせているだけだった。
不満な私が、ママに目で訴えると、ママは「まだ分からないのよ」と笑った。
そうして妹は、昼でも夜でもおかまいなしに、耳障りな声で泣き叫んだ。その度、ママはあわてて起きだして、それを抱きあげ、部屋を行ったり来たりしていた。その時のママは、髪は乱れ、やつれた顔をしていた。
私の家は赤ちゃんの使うものであふれた。大量のオムツ、哺乳瓶、プラスチックの回転するモビール。そのいくつかは、私が赤ちゃんだった頃に使っていたらしい。
それらはもうとっくに、私にとって意味のないものだったからかまわなかったけれど、おもしろくないと思った。
ベビーベッドはしばらく大丈夫なはず。
私は、赤ちゃんの頃使っていたベビーベッドを「檻」だとか「ろうや」とかいって、入って遊んでいた。
ベビーベッドが妹にとられてしまったら嫌だな。
でも、その頃には妹もきっと、人間らしくなってきて、一緒に遊んでくれるだろう。そうしたら、あのベッドで一緒に遊んであげよう。
みんな妹のことを「かわいい、かわいい」と愛でていた。
さるみたいな顔。ちっともかわいくなんかない。
妹は、私と遊んでなんかくれなかった。がらがらを目の前に持っていってやっても、いないいないばあをしても、ぼんやりした目を泳がせているだけだった。
不満な私が、ママに目で訴えると、ママは「まだ分からないのよ」と笑った。
そうして妹は、昼でも夜でもおかまいなしに、耳障りな声で泣き叫んだ。その度、ママはあわてて起きだして、それを抱きあげ、部屋を行ったり来たりしていた。その時のママは、髪は乱れ、やつれた顔をしていた。
私の家は赤ちゃんの使うものであふれた。大量のオムツ、哺乳瓶、プラスチックの回転するモビール。そのいくつかは、私が赤ちゃんだった頃に使っていたらしい。
それらはもうとっくに、私にとって意味のないものだったからかまわなかったけれど、おもしろくないと思った。
ベビーベッドはしばらく大丈夫なはず。
私は、赤ちゃんの頃使っていたベビーベッドを「檻」だとか「ろうや」とかいって、入って遊んでいた。
ベビーベッドが妹にとられてしまったら嫌だな。
でも、その頃には妹もきっと、人間らしくなってきて、一緒に遊んでくれるだろう。そうしたら、あのベッドで一緒に遊んであげよう。

