かな子

その夜。
お風呂に入って、パジャマを着て、寝る準備をしていると、おばあちゃんが電話で話していた。深刻そうな顔をしている。
何度か、こんなことがあったけれど、今度はほんとの本当なんだ。
私にはそれがはっきりと分かった。

パパは、さっき髪の毛が濡れたまま、大急ぎで病院に向かったらしい。
「赤ちゃん生まれるの?」私は聞いた。おばあちゃんは「そう」とうなずいた。
「ママだよ」受話器を渡してくれた。