皮のジャケットは高級そうだけど、妙にボロボロだった。

ダメージ加工にしては、色々と酷い。

投げ出された足は、私と比べるまでも無いくらい長い。

顔は俯いていて分からないけど、雰囲気はイケメンだった。

「――――――し、死んで……る?」

死体?

え、どうしよう。私、第一発見者?

「警察?救急車?消防車?」

私は携帯を取り出して、恐る恐る男の人に近づいた。

肩をつついてみる。

無反応。

髪を引っ張ってみる。

無反応。

頬をつねってみる。

無反応。

「あのー、すみません。もしもし、もしもーし。」

無反応。

「――――――。」

トゥルルル…。

≪もしもし?真理亜?どうした?≫

「あ、もしもし叶多君?今Bcorpの前の道なんだけど、今すぐ来て。」

≪…………は?≫

「あと、死体見つけた時って警察?救急車?どっち呼べば良いの?」

≪死体なら救急車呼んでも仕方ないだろ。待ってろ、今行くから。≫






―――――結局、何でも叶多君頼りな私。





その後叶多君が来て、男の人を家に連れて帰った。

そもそも死んで無かったし、病院に行くにはお金が無いから。

あと、男の人は異常に美男でした。