「懸賞当たってさ、無料なんだけど…。」

≪嫌ったら嫌。あそこ全部絶叫じゃん。≫

「そ、そうだけど…。」

ネズミーランドはギネスに載るくらいの絶叫マシーンの宝庫。

「無料だよ?」

≪一人で行け。≫

ピ。

ツー、ツー、ツー……。

「薄情者…。」

「断られた?」

叶多君が笑う。

「あき、行くー!!」

「亜樹が?」

ぴょんぴょん跳ねる亜樹に、私は苦笑した。

「亜樹は無理だよ…。身長制限に全部引っ掛かる。」

「彼氏と行けば?」

叶多君の何気無い言葉に、私は微笑する。

「彼氏いない歴=年齢ですが何か?」

「お前、顔だけは良いのに。うるさいからただのガキにしか見ないんだよな…。」

「ただのガキって何。」

チビは認めるけどガキは酷い。