「っつ、痛ぇ……っ」

男の人は私が蹴り飛ばした顎を押さえて、此方を睨み付けた。

「何すんだお前っ…」

「え?あ………恭、介?」

そうだ。

一晩寝たらすっかり忘れてた。

昨日、超絶美形男・織野井恭介は私に拾われてペットになったんだっけ…。

うわぁ、何この三流漫画にも無いような妙な展開。

少女が拾われる事はあってもこんな図体のでかい男を153センチの女が拾うとか、普通無いでしょ………。


うわぁ…何か考えたらキモくなってきた。


昨日私、何であんな事言っちゃったんだろう……。

叶多君を説得するにしても、もっとマシなのあっただろうに……。

でもま、叶多君は恭介の事嫌いみたいだし……仕方が無い、のかな?