「家出かなんかしたのかな?」

私の言葉に、叶多君は眉を潜めた。

「この歳で?そもそも親と暮らしてないだろ、この図体じゃ。」

「彼女と同居してたけどフラれて路頭に迷ってた、とか。」

「こんなイイ男、振る女いるかァ?」

……………確かに。

「意外とすっごい性格が悪かったりして。」

「っつかお前は何でコイツがフラれた前提なんだ…。」

叶多君は溜め息をついて、私を見つめた。

「俺はお前に、コイツをどうすんのか聞いてんの。」

あ、そうだった。

「………取り敢えず起きたら事情を聞いて、ご飯をあげて、彼女と仲直りさせてあげよ。」

「…………もう良いわ。じゃ、取り敢えずお前、何か作って来い。」

「はーい。」

私は頷いて、キッチンに向かった。