みんなや栗山さんと別れたあと、やっちゃんと私の二人きりになった。夕焼けはもうすぐ終わってしまいそうだ。
「志賀は?帰らないの?」
「カブトムシ、埋めるんでしょ?」
「うん。」
「ついてく。」
いいけど早く帰らないと親が心配するぜ、と言いながらやっちゃんは自転車を押して歩き始めた。
やっちゃんの後を追う。
カブトムシは、公園の真ん中に埋めるらしい。公園の土は固いのに、上手く埋められるのだろうか。でも、やっちゃんの家は庭がないし、ここしかないのだろう。
やっちゃんは持ってきていたスコップで、公園の土をぐっと一突きしたけれど、やっぱり公園の土は固い。けれども、やっちゃんはかたくなに一突きしては、もう一突き、という作業を続ける。
「ねえ、やっちゃん。」
「なに?」
やっちゃんは手を止めない。
「やっちゃんは、どんな女の子が好きなの?」
「ええとね。」
相変わらず土は固そうだ。スコップで掘りながら、やっちゃんは答えた。
「優しくて」
さくっ
「元気で」
さくっ
「料理がうまくて」
「志賀は?帰らないの?」
「カブトムシ、埋めるんでしょ?」
「うん。」
「ついてく。」
いいけど早く帰らないと親が心配するぜ、と言いながらやっちゃんは自転車を押して歩き始めた。
やっちゃんの後を追う。
カブトムシは、公園の真ん中に埋めるらしい。公園の土は固いのに、上手く埋められるのだろうか。でも、やっちゃんの家は庭がないし、ここしかないのだろう。
やっちゃんは持ってきていたスコップで、公園の土をぐっと一突きしたけれど、やっぱり公園の土は固い。けれども、やっちゃんはかたくなに一突きしては、もう一突き、という作業を続ける。
「ねえ、やっちゃん。」
「なに?」
やっちゃんは手を止めない。
「やっちゃんは、どんな女の子が好きなの?」
「ええとね。」
相変わらず土は固そうだ。スコップで掘りながら、やっちゃんは答えた。
「優しくて」
さくっ
「元気で」
さくっ
「料理がうまくて」
