やっちゃんが栗山さんに告白した、と坂田から聞いたのは、私がやっちゃんに告白した一週間後だった。
夏休みのすぐ前だった。下駄箱で、後ろからやってきた坂田は「お前、知ってるか。やすし、昨日栗山に告ったんだぞ」と、にんまりした顔つきでそう告げた。
私の反応は、坂田の期待通りだったらしい。うつむいて、何も言わない私を坂田は「どーすんだ、三角関係だ」と、はやし立て続けていた。
やっちゃんが、困った顔で小さく「ごめん」と言ったのが聞こえた。
それからは落ち込んだりもしたけれど、何日かすれば元通りに、またみんなで遊ぶようになった。わたしがやっちゃんに告白して、返事がまだないことも、やっちゃんが栗山さんに告白したことも、
まるでそんなことは無かったかのように、みんなにいつも通りが戻った。
栗山さんに、やっちゃんのことが好きか聞いてみようかと思ったりもしたけれど、またいつかのように「そんなことは聞かないし言わない」と言われるような気がしたので、やめておいた。
もしかしたら、もう一度、誰もいないところで、ちゃんとわかるように「すきです」と言えば、やっちゃんはOKしてくれるのではないだろうか。
そうとしか思えなかった。そう思い込んでいた。とにかくOKをもらうこと、それだけだ。
夏休みのすぐ前だった。下駄箱で、後ろからやってきた坂田は「お前、知ってるか。やすし、昨日栗山に告ったんだぞ」と、にんまりした顔つきでそう告げた。
私の反応は、坂田の期待通りだったらしい。うつむいて、何も言わない私を坂田は「どーすんだ、三角関係だ」と、はやし立て続けていた。
やっちゃんが、困った顔で小さく「ごめん」と言ったのが聞こえた。
それからは落ち込んだりもしたけれど、何日かすれば元通りに、またみんなで遊ぶようになった。わたしがやっちゃんに告白して、返事がまだないことも、やっちゃんが栗山さんに告白したことも、
まるでそんなことは無かったかのように、みんなにいつも通りが戻った。
栗山さんに、やっちゃんのことが好きか聞いてみようかと思ったりもしたけれど、またいつかのように「そんなことは聞かないし言わない」と言われるような気がしたので、やめておいた。
もしかしたら、もう一度、誰もいないところで、ちゃんとわかるように「すきです」と言えば、やっちゃんはOKしてくれるのではないだろうか。
そうとしか思えなかった。そう思い込んでいた。とにかくOKをもらうこと、それだけだ。
