「…ごめん…つい…仮なのにな…こんなことしないよな…マジごめん…」
「…ううん…大丈夫…」
「そっか…あっ…家…ついてたな…じゃぁ俺こっちだから…」

そう言って涙梨は走って帰って行った。
私は家に入ってからもずっと涙梨とのキスの余韻が残っていて…寝れないくらいにドキドキしてた…。
まるでファーストキスをしたかのような…そんな感覚だった…。

翌日…私はいつもの待ち合わせに5分早く行ってみた。
ドキドキしすぎてなかなか眠ることができず、家に居てもソワソワしてしまうから。

「ついた…って…あ…」
「あ…ちえり…」

待ち合わせ場所に涙梨がいた。

「は、はやいね…どうしたの?あと5分もあるのに…」
「まぁ…ちょっとな…」
「そっか…」
「じゃぁ…行こう?」
「うん…そうだね…」

行き始めたのは良いものの…昨日までは楽しく話していたのに今日は全く話していない…気まずい…

「あのさ…」
「うん…なに?」
「昨日キスして悪かったな…」
「何で謝るの?悪いことしてないのに…」
「でも…仮なのに…キスしちゃうなんて…マジ…悪い…」
「謝らないで?私…実はちょっと嬉しかったんだよね…」
「え?何で…?」
「あのあと、家に帰ってからも…ドキドキしちゃってさ…。だから…ありがとう…キスしてくれて?」
「なんか…それ…照れる…」
「ごめん…変なこと言っちゃった?」
「ううん!大丈夫!キスしてよかった。///」
「ㇷㇷッ!」

そうこう言っているうちに学校につき、楼栗たちと合流した。

「おはよ!楼栗!」
「おはよー」
「あのさ…私…もう仮から卒業しようと思う…」
「それってつまり…本格的に付き合うってこと?」
「うん…そういうこと!」
「おめでと!ちえり!ってまだ早いか!」
そうだよ!はやいって!」

私たちはしばらく笑いあった。

「じゃぁ…今日の放課後…そう彼に伝えるから…」
「うん…頑張って!」
「ありがと!楼栗」

よし!今日涙梨に伝えよう…仮から本当の恋人になろうって…。
そして時間はあっという間に過ぎていき…。

「ちえり~ついに来たよ~!」
「もう!はぐらかさないでよ!バカ楼栗!」
「はいはい!もう生きなよ!てか遅いね…涙梨…。」
「そうだね…もう来てもいい頃なのに…」
「おーい!楼栗~!」