好きになるのは簡単…でも好きになって忘れるのはとても難しい…
だから…彼には悪いけどしばらく仮のままでいさせて…?
必ず…心から好きって言えるように頑張るから…。

私は楼栗と別れ、涙梨に電話をした。

「もしもし…」
「あっ…もしもし…涙梨…だよね…?」
「うん…そうだけど…どした?」
「ううん…大したことじゃないんだけど…あのね…」

私は彼を好きになるために学校に一緒に行くことから始めることにした。
彼はすごく喜んでくれたし、私も内心ホッとした。

「うん…じゃぁまた明日!」
「うん…じゃぁね」

私は彼との電話を切った。
彼の声は…優そっくりで…すごくドキドキした…。
優と重ねてしまう自分が怖い。そう思った。
私自身、涙梨と学校に行けるようになって嬉しいんだ。
次の日涙梨とぶつかったところで待ち合わせた。

「うっす!」
「おはよー」
「ちえりから誘ってくれてマジ嬉しかったよ?」
「ホント?良かった。涙梨のことちゃんと好きになりたくて…一緒にいれば涙梨のこと、もっと知れるなって思って…」
「そっか!なんか照れる///好きになってほしいな…」
「頑張るね!私…」
「うん…無理…しなくていいからね…?それで俺のこと嫌いになったら俺…グレるからな?」
「大丈夫!嫌いになんかならないから!とにかく行こ?」
「あぁ!あっ車道は俺が通るから!ちえりは歩道を通って?」
「うん。ありがと!」

そういって私たちは学校へと急いだ。
学校につくとさっそく楼栗が飛んできた。

「ちえりー!さっそく涙梨と学校来てたねー!」
「へへッ好きになれるように頑張るんだ!」
「そっかぁ!いつでも相談にのるからさ!」
「うん!ありがとー!楼栗」

私…優がいない人生とか考えたことなかったけど今は砂わせかもしれない。
優のことは好きだけど今は涙梨への気持ちが大きい。

きっと好きになれる日が来ると。
私は信じてる。
それから私は昼休みも楼栗と叶矢のところに涙梨と一緒に行きごはんを食べたりした。
帰りも涙梨となるべく一緒に居られるように帰り道を変えて帰るようにした。

「なんか仮でもいいなぁー!」
「え?なんで?」
「ん?お前と仮でも一緒に居ることができるだけで嬉しいからさ♪」
「仮で満足なら…ずっと仮のままでいる?」
「え~!もしお前がそんなことしたら…何するかわかんないよ?」
「何するって何すんのよ!」
「何って…こんなこと?」

私は一瞬だけ時が止まった…。なぜなら私の唇に涙梨の唇が重なったから…。涙梨はそっと離した。