「楼栗…離れないで…。」

何度も何度もそう繰り返す紅を話したくない…。
大好き…だから、だから私…。

「ごめんね…。私、紅と一緒にいたい。」

もう少しだけ紅と一緒にいさせて…。
このままずっと一緒にいられますように。
そう願います。

「…ホント…?」
「うん…離れたくない…」
「俺もだよ…守るから…」

「そして私たちはいつもの状態に戻れた。
これから先ずっと紅と一緒にいられると思ってた。
でも違ったみたい。
やっぱり神サマは意地悪だったんだからね…。

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あの日から変わったことがある。
朝も紅と学校に行くようになったということ。
あと…
私に対しての嫌がらせが始まったということ。
靴を隠されたり、教科書が捨てられていたりと。
漫画で見るような嫌がらせ。
もちろん誰がやってるかなんて見当がつく。
それは真美さんの友達…。
ちえりが心配そうに私に声をかけてくれるが
私はそんな嫌がらせなんて気にしていなかった。
おんな私にイラッときたのか日に日に嫌がらせがエスカレートしていった。

「はぁ…いつまでやるつもりなの…」

私は独り言でつぶやいていた。
すると

「それはあなたと紅くんが別れるまでよ…」
「っ…。あなたたち…何でこんなことするのよ…真美さんがやればいいじゃない!このこと紅が知ったら真美さんのこと嫌いになるだけだよ…」
「そんなこと知らない…私たちは真美のためなら…」

そういった瞬間私は真美の友達から平手打ちされた。
ウザイ、ブス、別れろ、消えろ…そんな罵声をあびさせてきながら私をぶってくる。
あぁ…これが…真美さんから紅を奪った代償なのかもしれない…。
この人たちは真美さんのことを思って私を叩いている…。それはきっと間違いはないと思う。
やっぱり…紅と一緒に居てはいけないんだね…。だったら…別れなきゃ…。
皆が幸せになるには…私が我慢すること…きっとそうなんだ…。
そう思いながら私は意識をなくした。