次の日。
あまり学校には行きたくなかったが紅にはちゃんと話さなくちゃいけないことがあるからと学校に向かった。
起きた時に愛子さんに顔色が悪いと言われたが大丈夫と言って出てきた。
確かに体がダルい…。
でも大丈夫だろうと思った。
ボーッとしながら学校に向かっていると

「楼栗おはよ!どうしたの?顔色悪いよ?」
「ん…大丈夫。今日ね…紅に別れてって言うつもりなんだ。だからかな…」

ちえりは はぁ!?と驚いている。
それもそうだろう。付き合って間もないのだから。

「何があったの!?ちゃんとつらい時には言えっていっつも言ってるでしょ!?」

そんなちえりにイラついた。心配してくれてるのはすごく嬉しい。
けど話そうにも話せなかったんだから。
ちえりは優といるから邪魔したら悪いと普通は思う。
だから話さなかった。

「はぁ…ちえりには話そうとしたんだよ。でもいつも優といるから邪魔したら悪いなと思っていつも言えないままだった。」
「そうなの…?なんか…ごめんね…。私が悪かったんだよね…」
「………」

私は無言だった。ちえりに聞いてほしいことはたくさんあった。
でも今、口を開いたら傷つけることしか言えないから…。
だから口を開けない。
そして学校について教室に向かった。
すでに紅は来ていて私に気づくとすぐに私のもとに来た。

「あ、あのさ…昨日はごめんな…。俺が真美と話したのがいけなかったんだ。だから…」
「違うよ。私が悪いの。私が紅や叶矢、真美さんを傷つけたのがいけなかったんだよ…。なぁ…紅。私と別れて…」

もうつらいよ…。傷つけたくない。誰も…

「は…?何言ってんの…楼栗。冗談よせよ…」
「冗談じゃない。もう限界だよ…」
「もう…無理って?限界だって?なに言ってんだよ…。真美に何か言われたのか!?」
「違うよ…。私…これ以上人を傷つけたくない。だから…お願いだから私と別れて…」

お願いだから…私と別れて…。今は一人にしてほしい…。
私は弱い。弱い人間だよ。
人を傷つけたらそこで弱音を吐くんだから。

「俺は…嫌だよ。楼栗と別れたくないよ。ずっと一緒に痛いと思ってる。守るよ?だからそんなこと言わないでくれよ…」
「だって…だってのこまま付き合っていったらきっと紅を傷つける。あおんなことしたくない。そこませして紅と付き合えないよ…」

私はいつの間にか涙が出ていた。
苦しさや切なさが混じって出た涙はしょっぱい。

「でも…俺は傷ついてもいい。傷ついてもううから…。俺は楼栗がいればそれで十分だ。俺から離れないでくれよ…頼むから…」

ギュっ。
紅に抱きしめられた。余計に涙が出てきた。私だって紅のこと好きだ。
どうしたらいいの…。わからない…。
神サマはやっぱりボケてる。ひどい…。
どうかこの人とだけは一緒にいさせてください。
私はどうなってもいいから…。