「じゃぁ…帰ろっか…」
「おぅ!」

私たちはちえりと涙梨に別れを告げて帰路についた。
しばらく…私たちは無言だった。
気まずい。
そう思った私は叶矢に話を持ちかけようとした。
すると叶矢から話し始めた。

「何かあった?」
「…何にもないよ?でもね…私…笑顔で叶矢におめでとうって言えないなって思って」
「…知ってた…。」
「え?」

知ってたってどういう事…?

「だから…楼栗が泣いたら…俺、離れたくなくなるから…」

私だって…そうなんだから…
でも笑って送りたかったなぁ…

「ごめん…ね?」
「いや…謝る必要ないと思うけど?俺が…俺が弱かったんだよ」
「違う!!そんなことないよ…?私は…叶矢は…迎えに来てくれるって信じてるから…」
「…うん。俺は楼栗を迎えに行くよ。俺がちゃんとした人間になったら…な?」
「わかってるし!」

叶矢のあのときの言葉は正直気にしてなかったけど…今、こうして聞くと嬉しいな…。
叶矢を好きになってよかったよ。
それは紅にも感謝しなきゃいけないんだ…。
紅のおかげでもあるから…。
私はこれからもずっと…叶矢を愛して生きていくんだ。
そう思うとホント嬉しい…幸せな気分になるよ。


そして私たちは家に帰った。
春休みは叶矢とも涙梨たちとも会えるから…。
それはそれで楽しい春休みになる。
この2年間、幸せで、嬉しくて…でも辛いことも悲しいこともたくさんあった。
それは…叶矢、涙梨、ちえり、優利、水口、大城、久本、そして紅のおかげでそういう思いを私にわからせてくれたんだと思う。
みんなに出会えてよかった。
私とちえりはあと1年あるけど…ちゃんと夢を持って叶矢に良い女になったなって言われたい。だから頑張ろうと思った。

これからは叶矢と涙梨は居ないけど精一杯頑張って行こうと思います!