日が経つのは思ったより早くて…
卒業式の前日を迎えた叶矢たち。
私とちえりも寂しさでいっぱいだった。
只今叶矢に家まで送ってもらっている最中だ。
私は寂しさを隠せていなかったのか

「どうした?楼栗…」
「え…うん…もう明日で叶矢たちがこの学校を卒業しちゃうんだなぁって…」
「そういうことね…寂しいんだ?」
「あたりまえでしょ!?叶矢は寂しくないの?」
「んや…寂しいよ…?でも…いいじゃん!卒業しても俺らは離れたりしないんだからさ?」


まぁ…そうだけども…。
でも…寂しいのは変わらない。
卒業しても何も…私たちの関係が終わらないように願ってるんだけども…。
今…今わがまま言ってもしょうがない。
叶矢を困らせてしまう。
何も変わらないよね…??

「そうだね!なんか私バカだな~何をネガティブになってんだろ!」
「楼栗は…ポジティブな方が楼栗らしいよ?だから明日…泣くなよ?」

私は無理に笑った。
だって…
“泣くな”…かぁ。
それは無理かもしれない…。
泣いてしまうかもしれない…ううん…絶対泣く…泣いてしまうよ…。
でも…

「うん!わかった!泣かないで笑う!」
「おぅ!そうしてくれ!」

何で叶矢は泣くなと言ったんだろ…。
それ言葉は私の心に疑問を抱かせた。
でも気にはしなかった。
叶矢の言葉だから…。
私は叶矢と別れたあと明日が不安になった。
叶矢との約束を守れるのかどうか。
でも…守ろうと思う…
涙の代わりに笑って見送ろう。
そう思っていた。
なのに…。