「ちょっと待って、話についてけない」
「あ、そっか彩菜知らないんだった」
「俺ら付き合うことになったの」

そして、今までにあったことを全部
喜田に話して聞かせた。

「そんなことがあったの」
「そうなの」
「佐藤、保健室行こ」
「え、なんで?」
「顔にケガ、してるし」

俺が言うと、佐藤は傷口を少し触り、
痛そうにした。

「そっか、あたしケガしてんだった」

お前は猫か。
忘れんの早すぎんだよ。

「分かった、消毒してもらわないとね」



……………実は下心、ちょっとあります。

佐藤と2人きりになりたいっていう。








保健室―――――――――――


「先生、いないねぇ」
「だな」

はいウソつきましたー。
先生今出張ですー。
最初っから知ってましたー。

「よし、俺が消毒してやるよ」
「え…」

もしかしてドキドキしてるー?
それも想定…

「原岡君、消毒できるの?」

想定……外でした。