「え…」
「ゴメン、でも本当だから」
「じゃ、じゃあなんで付き合ったの?」
「お前がしつこく言ってきたんだろ」
「そんな…っ」
そんな…って、アンタ自分が言ったこと
忘れたのかよ??
俺が好きなヤツいるって言っても、
付き合いたいって言ったのお前だぞ?
「身に覚えはアリアリだけど、
でもひどいわ!!もう知らないっ!」
そう言って、床をドンドン鳴らしながら
且元は走り去った。
正確に言えば、歩み去った。
あれだけの体重を支えながら走るんだ、
仕方ないな。
「大丈夫、麻子!?」
「う…ん、平気…」
「わわわ、血出てるじゃん」
「うそ!?ホントに?」
自分でも気付いてなかったのか。
「佐藤…ゴメンな」
「いーよ。原岡君悪くないもん」
「守れなくて、ゴメン」
「………じゃあ、これからは守ってね」
今のセリフ録音しときたかった…
「当たり前だろ。佐藤の彼氏なんだから」
「彼氏だったの!?」
おいおい、大丈夫か。
さっき付き合い始めたばっかだろ。

