「麻子、あんた学級委員引き受けたの」
「うん...みんなが、やれって言うから」

首をうなだれる。
自然に下を向いてしまう。

頭上から、お母さんのため息が漏れる。

「はぁ、麻子はダメねぇ」
「え」
「自分で思った事をパッと言えない」
「だって、みんなが言うから...」
「みんながどう言おうが関係ないの。
麻子は麻子、自分で思う事をやればいい」

お母さん...

あたし、そんなに強い心を持ってません。
友達の前で、ろくに話もできないの。
ついつい、みんなに流されて頷くだけ。

「...その、はら...なんたら君」
「原岡君?」
「そうそう、原岡君に頼めば?
どうやったら自己主張ができるか」