君に伝える。







彩菜 side




原岡が、ここまでヒドイ人だったなんて…

麻子が泣きながら走り去ったのに、
追いかけなかった。
その上、且元さんと一緒にいたのだ。

「麻子!」
「ふぇ…っ…彩菜ぁ」
「今の、見ちゃったんだけど」
「原岡君が…か、且元さんと付き合ってた」
「一発殴ってやる」
「や、やめてっ!彩菜がダメになっちゃう」

彩菜の内申なんて気にしないでよ。

麻子を泣かせたんだもん、絶対許さない。
一発殴ってもまだ足りないくらいなのに。

「ゴメンね」
「なんで麻子が謝るの。謝るのは原岡だよ」
「きっと、理由があるんだよ。
 
 あんなに且元さんのこと嫌がってたのに、
 急に好きになるなんておかしい」

それ、彩菜が言いたかったな…。

「あ、そだ彩菜、遊喜君が呼んでたよ」
「ゆ…うき…」
「謝りたいとか言ってた」
「そう。ありがと」

謝りたいのか…
本気なのかな?
行っても、大丈夫だよね……?