「…遊喜に襲われたとき、怖かった」
「うん」

抱きしめたい。

その恐怖感さえも、壊すくらい強く。

「す…ごく、怖かったの」
「うん」

大丈夫、お前は俺が守るから。

もう2度と、他の男には触らせない。

その細い脚も、腕も、
小刻みに震える肩も、
少しクセっ毛の髪も、
ましてや顔になんて、

絶対に触らせたくない。

「もう…いい?」

涙目になりながら言う。

「もう、泣いても…いい…?」
「俺の胸でよければ貸してやる」
「…石神じゃなきゃ、ヤダ」

そっと喜田を引き寄せる。
遊喜みたいに乱暴じゃなく、優しく。

喜田を怖がらせないように、
でも逃がさないように、

強く、優しく。

俺は、お前にふさわしい男になれるだろうか。