あなただけを愛したい

「ごめん」



長谷川くんにそう言って、その場を駆け出した。



「おいっ!土原!」



長谷川くんに呼び止められたけど、振り向けなかった。



どきどきする胸を押さえながら、そのまま職員室まで走った。


そこで気持ちを落ち着かせて、息を整える。


そして、担任に報告してから、また教室に戻った。


……バレたかな。


でも学校に来るのは、今日で最後だ。


あとは、卒業式まで来なくていい。


大丈夫だよね――…?








二月に入って、学校も自由登校になった。


もうすぐバレンタイン。


毎年、バレンタイン、ホワイトデー、クリスマスなどの書き入れ時には、いとこのお姉ちゃん、梨花(リカ)ちゃんのお店のお手伝いに行く。


このお店はぱっと見は、雑貨屋さん。


でも実は、アクセサリーをオリジナルで作ってくれたりもする。