あなただけを愛したい

「おまえ――…茜にガキがいたの、知ってたのか?」



この反応、そうとしか思えねぇ。



「……」



テルは視線をそらしたまま、口を閉ざしている。


どういうことだ?


テルはきっと……いや、絶対に知ってる。


知らないなら、ここで否定するはずだ。



「あれは、誰の子なんだよっ――…」


「……」



俺の声はちゃんと届いているはずなのに、テルの態度は全く変わらない。



「なぁ、何で黙ってんだよ。なんか都合悪いことでもあんの?」


「……ねぇよ」


「じゃあ、知ってること全部教えてくれよっ!」



なにかを知ってるはずなのに、全く何も言わねぇテルに、だんだんイライラしてきた。



「……」


「いい加減にしろって!」



そう言いながら、向かいに座るテルの胸ぐらをつかんで、グイッと引き寄せた。