あなただけを愛したい

お茶の入ったグラスが目の前に二つ置かれ、テルは俺の向かいに座る。


テルの目をジッと見ながら



「おまえ、今でも茜のことが好きか?」


「は?」



意味がわからねぇとでも言うように、テルの眉間に皺が寄る。



「アイツのことを、抱いたんだろ?」



遠回しに言ってもしょうがねぇ。


だから、単刀直入に聞いてみる。



「何が言いたいのかわかんねぇ」


「茜がさ、ガキは俺の子だって言うんだ。でも……」



テルの目をジッと見る。



「俺の子だって言いてぇの?」



テルはそんなに動じてはいない様子。


どういうことだ?


知ってたのか?



「茜がそう言ったのかよ」



今度はテルが、俺に突っかかるように言葉を放つ。


何で、俺がせめられてんだ?



「……」


「……」



しばらく見つめあったまま、沈黙が続いた。