静まり返った空気の中、茜が口を開く。



「一緒になってくれるわよね?」



突然俺の前に現れて、何言ってんだ、コイツは。



「ならねぇよ」


「何で!?航の子供なのよ!?無責任なことを言わないでよっ」



若干ヒステリック気味に話す茜に、溜め息が出る。



「俺に黙って産む方が無責任だろ?今さらなんなんだよ」



もしかしたら、マジで俺の子かもしれねぇ。


でも黙って産んで、しかも七年経って現れるとか……


俺の気持ち、丸っきり無視じゃねぇかっ。



「俺は彼女と別れる気はねぇし、おまえと一緒んなる気もねぇ」



こんなことを言っても、コイツがそれをすぐに聞き入れるようなヤツじゃねぇことは、よくわかってる。


だけど――…


俺には柑那との未来しか考えられねぇんだ。