茜さんも、テルさんの子だとちゃんとわかっていたらしい。
あの当時、茜さんは一方的に航にフラれて、それでも諦めきれずに……
航の友達にすがって、『抱いてほしい』と言った。
航に止めてほしいと思って起こした行動だったらしいけれど……
正直、好きでもない人に『抱いてほしい』と言うその気持ちはわからない。
でも、自分から離れていった大切な人の“気を引きたい”という気持ちはわかるかもしれない。
その時にすがった相手がテルさんで……
自分の勝手な思いでテルさんを利用した負い目から、その事実をどうしても口にすることができなかったらしい。
今は茜さんも、テルさんのことが気になっていたんだって。
でも、テルさんにほんとのことを言っても、責任から『一緒になる』と言われると思って、航に逃げたらしい。
「結局、俺らが振り回されてただけだった」
と航は苦笑い。
「じゃあ、茜さんとテルさんは……」
「ん、結婚するらしい」
「そうなんだ」
この二ヶ月半、茜さんに振り回されて、辛い思いをいっぱいしたけれど、でもやっぱり、茜さんの子供が父親のいない子にならなくてよかったってそう思う。
それ以上に、航の子じゃなくてよかったって、強く思っているけれど。
あの当時、茜さんは一方的に航にフラれて、それでも諦めきれずに……
航の友達にすがって、『抱いてほしい』と言った。
航に止めてほしいと思って起こした行動だったらしいけれど……
正直、好きでもない人に『抱いてほしい』と言うその気持ちはわからない。
でも、自分から離れていった大切な人の“気を引きたい”という気持ちはわかるかもしれない。
その時にすがった相手がテルさんで……
自分の勝手な思いでテルさんを利用した負い目から、その事実をどうしても口にすることができなかったらしい。
今は茜さんも、テルさんのことが気になっていたんだって。
でも、テルさんにほんとのことを言っても、責任から『一緒になる』と言われると思って、航に逃げたらしい。
「結局、俺らが振り回されてただけだった」
と航は苦笑い。
「じゃあ、茜さんとテルさんは……」
「ん、結婚するらしい」
「そうなんだ」
この二ヶ月半、茜さんに振り回されて、辛い思いをいっぱいしたけれど、でもやっぱり、茜さんの子供が父親のいない子にならなくてよかったってそう思う。
それ以上に、航の子じゃなくてよかったって、強く思っているけれど。


