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空には満天の星、目の前には昼間のブルーとは違って、もっともっと深い青……群青色の海が広がっている。


そして耳に届くのは、緩やかに打ち寄せる波の音。


あたしがずっと一人で座っていた大きな石に、航と肩を並べて座りながら、そんな景色を肌で感じる。


でも、ただ隣に座っているだけじゃどこか不安で、もう離さないと言わんばかりに、腕にぎゅっとしがみついていた。



「柑那、ずいぶん探したよ」



この静かな空間に響き渡る航の声。


探した?



「えっ」



思わず航の顔を見る。


あたしの誕生日には、海へ行こうって話していたのを覚えていてくれたから、ここに来たんじゃないの?



「俺、変なこと言った?」



航の眉がハの字に下がる。



「えっ、だって……」



変なことというか……