もうこんな風に、航のことを身近に感じることができないかもしれないと思っていた。


だから余計に、目の前の人が愛しくてしょうがない。


ほんとに戻ってきてくれたのかな?


茜さんとのことは、ちゃんと解決したのかな?


これからもずっとそばにいられるのかな?


そんな思いが頭の中をグルグルと回っている。



でも……


今ここに……


こうやって触れられる位置に……


存在することがすべてだと思いたい。



そんなことを考えていながらも……


触れた唇から…


絡めた舌から…


その存在を確かめるように、ただ航の熱を感じていた――…