誕生日に何かあるとは思っていない。


ていうか、ちゃんと約束をした訳じゃないから、あるわけがない。


だけど、今度こそは……


航の口から、ちゃんと真実を聞くまでは


絶対に、諦めない。


後悔したくないから――…



「このまま戻ってこなくても?」


「え?」



思わず竜一を見上げた。


竜一が悲しそうな表情をしているから、言葉に詰まる。



「マジでこのまま戻って来ないかもしれねぇじゃん」


「……」



確かに、そうかもしれない。


やっぱり子供が可愛くて、一緒に暮らしたいって思っちゃうかもしれない。



「もしそうなったらさ……」


「ならない」


「は?」


「ならないもん」



ならないと、信じたい。


どれだけ時間がかかっても、必ず戻ってくるって、信じたい。