あなただけを愛したい

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翌日から、毎日のように竜一が短大まで迎えに来るようになった。


正直、厄介だなぁとか、ウザイなぁとか思ったりした。


でも一週間もたてば、それが当たり前になってきて、


しかも、気が紛れているのは確かだった。



「今日はどこ行く?」


「どこでもいいけど」



いつものように、竜一の質問に淡々と答える。



「じゃあ俺んち来いよ」


「はぁ?家には行かない」


「おまえ、どこでもいいっつっただろ?変更は受け付けねぇから」



なんて言うけれど、家はよくないよ。



「家に行くんなら帰る」



そう言っても、竜一は無言で車を運転してる。


困ったな。


窓から外を眺めていても、頭の中に浮かんでくるのは、やっぱり航のことばかり。