これって……



「航が、やったの?」



この散らかり方は、片付けてないって感じじゃない。


暴れた……とか、そういう感じ。



「……」



航は何も言わず、あたしに背中を向けたまま、黙々と片付けている。


どうすればいいの?


とりあえず、あたしもその場にしゃがんで、一緒に片付けた。




ある程度片付いたら、あたしはソファーに座らされ、航は隣に腰かけた。


そして息つく暇もなく、航が口を開いた。



「柑那、俺は別れる気はないから」


「……」



そう言ってくれることは、凄く嬉しい。


でも……


航はそう思っていても、子供はどうなるの?


子供にとって、血の繋がったお父さんは一人しかいないんだよ。



「柑那、なんとか言えよ」



そう言って、航はあたしを抱き締めてきた。