あなただけを愛したい

今度はやっちゃんの方を振り返って



「やっちゃん、待っててね」


「ん、ちゃんと待ってるから、自分の想いを話してこい」


「うん」



あたしの頭の中は、いまだにぐちゃぐちゃで、正直、何をどう話すかなんて決まっていない。


でも、いつまでもこのままでいいわけない。


ちゃんと話をして、どうするか決めなきゃ。


大きく息を吸って、ふぅーっと吐いてから、航へ向き直った。



「航、ちゃんと話をしたい」



航は、そう言ったあたしの手を握って、アパートの部屋まで歩いた。


鍵を開けて、中に入る。


リビングへ入ったとたん、言葉を失った。


いつも綺麗にしている航の部屋。


足の踏み場がないくらいに、物が散乱していて……



「わり、今片付けるから」