「昨日は行く気になってただろ?」


「……」



昨日と今日じゃ、気持ちが全く違う。



「柑那?なんかあったのか?」



やっちゃんが、心配そうにあたしの顔を覗き込んできた。


でも、思わず視線をそらしてしまった。



「俺に話してみ?」



首を大きく横に振る。


また涙が出そうになって、クッションに顔を埋めた。



「言わなきゃわかんねぇぞ?」



そうだけど……


口に出したら、それが現実になりそうで怖い。



「なぁ、柑那。おまえは、もしこのまま会えなくなっても、後悔はしないのか?」


「……」



このまま会えなくなったら……


もちろん、後悔する。


でもやっぱり、会いに行っても別れしか待っていないような気がして、航に会うのが……


怖くてしょうがない。