「あたし、野田茜といいます」


「はい。あたしは土原柑那です」


「ふふ、知ってるわ」



だよね、さっき名前呼んだもんね。



「あれから、航と会ったの?」



え?あれから……?


何で、そんなことを聞くの?



「まあいいわ。あたしね、高三の夏まで、航と付き合ってたの。一年くらい一緒にいたかな」



やっぱ、元カノだったんだ。



「この間の話、ほんとだからね。妊娠に気づいたのは、別れてから」



何で、あたしにこんなことを話すの?


聞きたくない。


そう思っていても、目の前に座る茜さんは、そんなあたしの気持ちには気づかずに話し続ける。