「まだ付き合ってるんだ?」


「うん、再来月には結婚するよ。あたしのお兄ちゃんになるんだ」


「わっ、マジ!?羨ましいなぁ」


「ふふ」



そんなやっちゃん話で盛り上がりながら、三人で正門を出た。



「土原柑那さん?」



えっ……


後ろから聞こえた声に、ゆっくりと振り返る。



「……っ!」



思わず目を見開いた。


だって、そこに立っていたのは……


茜さんだったから。



「話があるんだけど、いいかな?」


「えっ」



茜さんがあたしに、話?


何の……話?


って、もちろん航の話だよね。