「ねぇ航、コンビニに行ってきてもいい?」


「何で?」


「咲季の彼氏に会ってみたいの」


「じゃあ俺も行くよ」



そう言って航は、たった今出てきた店の駐車場に車を停めに行った。



「凄くイケメンだね」


「えっ?」


「柑那の彼氏」



咲季は、航が去っていった方を見ながら、目を輝かせている。


咲季の言葉に、ついニヤけてしまう。



「ふふ、でしょ?」


「幸せそうな顔しちゃって」


「だって、想いが通じるなんて思ってなかったから」



授業を受け持たれたことも、まともに話したこともなかったから、まさかこんな日が来るなんて、思いもしなかった。



「高校の先生なんでしょ?いくつ?」


「25才」


「大人だねー」


「うん」



18才のあたし達から見れば、25才の男の人は、かなり大人。


車から降りて、こっちへ歩いて来る航を見ていると、自然と頬がゆるんだ。