あなただけを愛したい

ちょっと待ってよ。


勝手に話を進めてるけど、あたし、何も言ってないよ。



「田中くんって、柑那と同じ高校だったんだ?」


「ん」



横から楽しそうに話し掛けてくる咲季とは対照的に、田中くんはどこか不機嫌そうな表情をしている。



「卒業式の時のあれって、取り合いだったのか?」



卒業式……


竜一が来たときのことだよね。


田中くんも見てたんだ。



「俺が譲ってやったんだよ」


「はぁ!?」



竜一の上から目線の言葉に、思わず眉を潜める。



「つか、生徒に手ぇ出していいのかよ?」


「そんなんじゃないもん」



そう、そんなんじゃない。



「じゃあなんだよ?」



さっきまでの竜一とは違い、少しイライラした口調で話してくる。