「でも田中くんにいつも“図書当番代わって”って言われて、“あー、このまま二人がくっついちゃえばいいのになー”なんて、思ってた。……あたし、どこか怖かったのかもね」



三上さんは、田中くんにお願いされたからって、ただ当番を代わっていたわけじゃなかったんだ。


でも……



「何で、怖いの?」



さっき三上さんは、あたしのことを“冴えない格好してた”って言ったんだよ?



「だって、土原さん、目が真っ直ぐなんだもん」



“真っ直ぐ”?


それは、あたしが三上さんに、感じていたこと。



「いつかライバルになるかもって、思ってた」



“ライバル”



そんなふうに見てくれていたんだ。



「だから、率先して、田中くんに協力してた」



そうだったんだ。