あなただけを愛したい

あたしが毎日同じ時間に登校して、挨拶をしていたなんて……


航はきっと、……知らない。


あの時のあたしにはあれが精一杯だった。



「三上さんが、凄く羨ましかったんだ」


「えっ?」


「いつも真っ直ぐで、思ったことをそのまま口にして、思ったままに行動して……、そんな三上さんを見ていたら、心の底から“頑張って”って思ったの。……これは、ほんと」


「……いつから?」


「えっ?」


「いつから、付き合ってるの?」


「まだ一ヵ月にもならないよ」



航と想いが通じ合ったのは、バレンタイン前日。



「……田中くんは?」


「は?」



なんで今、田中くん?