あなただけを愛したい

三上さんが大きな声を出すから、周りから注目を浴び始めた。



「三上、落ち着けって。場所変えようか?」


「変えなくていいよ。もう騒がないから」



とは言ったけれど、結構目立つ場所にいたから、隅に寄った。



「俺さ、柑那があの高校にいたのを知らなかったんだ」


「は?そんなわけないじゃない!」



航は苦笑いしながら



「さっき三上も言ってただろ?柑那の外見が違ってたこと」



三上さんは無言のまま、航の顔を見つめる。



「俺、学校じゃない場所で柑那に惚れたんだ。今のこの姿をした柑那に」


「……」



三上さんはずっと黙ったままで、その表情からは何を考えているのか、まったく読み取れない。



「三上?」