あなただけを愛したい

せめて、



“あたしも先生が好き”



って、話しておけば良かった。



「言ったよ」


「は?……意味わかんないんだけど」



三上さんが、さっきの明るい表情とはかけ離れた、暗くて、どこか冷たい表情で言葉を放つ。



「先生は土原さんと、名前で呼ぶほど親しい間柄なの?」


「まあな、柑那は俺の彼女だ」


「は?」



三上さんは……


さらに冷たい表情を、……あたしの方へ向けた。



「じゃあ何?土原さんは、あたしのことを応援しているフリをして、陰で笑ってたの?」


「ち、ちがう!」



でも……


そう思われても仕方ない。



「三上」



航が間に入ってきたけれど……



「先生も先生だよ!“生徒はみんな女には見えねぇ”とか言いながら、ちゃっかり生徒に手を出してるんじゃない!」