あなただけを愛したい

ヤバいっ……


三上さんだ。


あたし、散々三上さんから航の話を聞かされていて……


『頑張ってね』とか言ったこともある。


しかも……


あたしは三上さんに、自分が航のことを好きだって伝えていない。


見つかったら……


ヤバいよね――…?


慌てて化粧室に戻ろうとした時、



「あれ?土原さんじゃない!?」


「……」



あ、……見付かってしまった。


どうしよう……



「やっぱり土原さんじゃん!卒業式の時、ビックリしたんだからね!」



えっ!?


卒業式の時?


あたし、ビックリさせるようなことをしたっけ?



「何で、あんなに冴えない格好してたの?ずっと今みたいにしてれば良かったじゃん。ねぇ、先生?」