でも……



「どうして、先生が知ってるんですか?」


「先月、学校で柑那が逃げたあと……」



逃げたって……


先生と目が合った時のことだよね。



「長谷川が“先生邪魔するなよ。今デートの誘い、OKもらえるとこだったのにさ”なんて言ってたから」


「そういえば、長谷川くんとデートの約束しちゃった」



あたしが“バレンタインのあとならいつでもいい”と返事をしたら、すぐに……



“じゃあ15日にしよう”



とメールが来た。


って、明日じゃん!



「断ってほしいんだけど」



ドキンッ……



「う、うん」



ストレートな言葉に、胸がどきどきと高鳴る。


ほんとに先生からの言葉なのかと、チラチラと先生の方を見てしまう。


こうやって先生の隣にいることが、ほんとに信じられない。