夕日塔の約束

さっきみたいに“ムリ”だと言いたい私の心とは反対に、口から声が出てこない。


言え…言いなさいよ私っ!!


「夕穂……?」


全く何も返そうとしない私を変に感じたのか、日希が心配そうに覗き込んで来た。


………っダメだ………


「分かったわよ…一緒に行けばいいんでしょ、行けば」


プイッとそっぽを向き、日希の願いを聞き入れた。


日希が目をパチパチさせているのが、視界の端っこで見える。


「ホラ早く行くわよ!!学校遅刻しちゃう!!//////」


急激に恥ずかしくなった私は、また右手を上下に振りまくった。