夕日塔の約束

「頑張って良かったぁ♪彼氏が出来るってこんなに嬉しい事なんだね!」


彼氏が出来たばかりの古池さんの浮かれた声が、私の心を黒く染めてゆく。


両手をギュッと、膝の上で握りしめた。


「ちょっと夕穂!?大丈夫?」


稚鶴がペチペチと、私の頬を叩いた。


「あっ……うん………大丈夫だよ………」


半分位別世界に行ってた意識が戻り、稚鶴に笑顔を見せた。


だけど古池さんが教室に来るまでの笑顔とは違い、強張ってムリヤリ作った笑顔。


自分の顔なんだから、自分が1番よく分かっていた。


「ごめんね稚鶴。大丈夫だから」