夕日塔の約束

忘れられたらどんなに楽かともがいていた夕穂との約束。


夕穂も約束を覚えていたんだと思うと、胸が切なくなった。


「私はアンタのお陰で幸せを感じられてるの。だから………あの約束を果たすなら」


一度息を吐いた夕穂は、今度は大きく空気を吸いこんだ。




「私が日希を幸せにしたいから……これからも一緒にいてくれますか?」




――――何ソレ。


選択肢なんか1つしか無いじゃん。


余計なものなんか、一切いらない質問だ。


「当たり前じゃん………てかもうオレ、充分だし……幸せ過ぎてブッ倒れそうな位幸せ………」