夕日塔の約束

無、無意味?


無意味って何の事だ?分かってやれないオレはバカなのか?


「お互い悩んで、苦しんで、見失って………大分時間かかっちゃったけど、私……幸せだよ?」


夕穂が、ヒョイッと顔を上げる。


微妙に涙で潤んだ瞳は、オレの頬を熱くさせるには充分だった。


「日希覚えてる?1年前ジンクスした時……約束したの」


ああ………覚えてるよ。


オレが果たす事が出来なかったとずっと後悔してた、アレだろう?夕穂。


「覚えてる。約束したよな?“2人で幸せになろう”って………さ」


簡単に忘れられるハズが無かった。